HAL財団

北海道農業に 新しい春(HAL)の息吹きを

「大地の侍」への思い

磯田憲一が語る「大地の侍」の魅力

農業は、北海道の基幹産業と言われるものの、農業人口は減少を続け、後継者不足も顕在化してきています。
しかし、“生命の産業”でもある「北海道農業」の役割を考える時、その重要性は、今後一層高まっていくに違いありません。

そうした中で、一本の旧い映画と出会いました。
小説家・本庄睦男の「石狩川」を原作とする東映映画「大地の侍」です。
戊辰戦争で敗れた東北の藩士たちが、遠く離れた未開の大地・北海道で開拓民として生きるべく奮闘する姿を描いたものです。

10年程前、札幌・狸小路の、今はなき映画館で偶然出会って以来、心に残り続けてきました。
1956年製作の映画ですが、北海道の開拓の歴史を知る上で大変貴重な史料と言えるものです。
同時に、農業の今はもとより、北海道の未来への道筋を考える上でも、私たちに多くの示唆とエネルギーを与えてくれるものだと感じています。

このようなことから、昨年(令和2年)、私が関わってきた一般財団法人北海道農業企業化研究所(HAL財団)を大きくスリム化し、公益的事業に特化した団体として再スタートさせたのを機に、昨年夏以降、株式会社東映に、残されているマスターフィルムからのDVD化を要請いたしました。
「大地の侍」は、これまで、商業目的でDVD化されておらず、東映としても初めての事例ということもあって調整は難航し、長い時間を要しましたが、先日ようやく当方の想いが形となり、契約までに漕ぎ着けました。
将来にわたる著作権料の支払いも終え、今後、道内各地でセミナーを兼ねた上映会を開催できることになりました。

明治維新以降、たかだか150年の間に、このような形で本格的な開発が進められた事例は、世界的にも類例がないと言われています。
その契機となった「士族開拓」の実際を、このようなドキュメントを通して知り学び、未来へ繋いでいくことは、国内外の多くの皆さんにとっても「普遍性」があるのではないかと、おこがましくも考えているところです。

このプロジェクトへの道民の方々のご支援、ご協力をお願いいたします。

一般財団法人 北海道農業企業化研究所(HAL財団)
理事長  磯田 憲一

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