食と地域とキャリアをつなげる実践教育(静内農業高校の取り組み)
2025年8月18日HAL財団では、農業および農業関連産業の未来を支える農業高校生を応援する活動を行っております。今回は、2025年7月4日に国分北海道株式会社が主催した商談会に参加した北海道静内農業高校の生徒による取り組みをご紹介します。
商談会では、地元の黒毛和牛「みついし牛」や、規格外品として流通しない新ひだか町のミニトマト「太陽の瞳」を使った「キーマカレー」、さらに日高地域の脱脂粉乳と地元養蜂場の蜂蜜を使用した「Hachi meets Milk(蜂蜜ミルク)」を出品しました。
半年以上にわたる研究と試作の末に完成した「キーマカレー」は、ミニトマトが旨味を引き立たせ、コクがありスパイシーな仕上がりです。また、「Hachi meets Milk」は、水や炭酸水で好みに応じて割って楽しむことができ、甘くて爽やかなレモン風味が魅力の飲み物となっています。
特筆すべきは、味の良さだけではなく、SDGsへの配慮や地元食材の有効活用など、持続可能な社会への視点も盛り込まれている点です。
商談会に参加した生徒の一人、田中さんによると、生徒全員でレシピの考案から商品開発、ポップの制作・展示方法まで工夫を凝らしたそうです。「蜂蜜(Hachi meets Milk)で目を引き、キーマカレーへと導く展示の導線を考えた。また、商談会への参加経験を活かして、今後はホテルや観光関連の仕事に関わりたい。地元の商品や新ひだか町をPRしたい」と将来の目標を話してくれました。
また、静内農業高校の卒業生で、以前にこの商談会に参加した経験を持ち、自分のやりたいことがこの会社にあると、現在は国分北海道株式会社の社員となり、静内農業高校のブースをサポートしていた谷川さんは、「新ひだか町の素材で一緒に商品開発をしたい。これからも地元の農業者や商工業者と関わっていきたい」とお話しされていました。

国分北海道株式会社の谷川さん(左)と静内農業高校の田中さん(右)
この商談会での経験は、生徒自身のキャリア形成や地域への愛着を育む貴重な場となっていると強く感じました。
HAL財団では、このような実体験が次世代の人材育成に大きな意義を持つと捉え、今後も農業高校生の学びと成長を後押しする活動を継続していきます。