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小学校農業科等取り組み状況

小学校農業科

当別町 ~命を育て、未来を耕す~ 当別町の未来を育む「とうべつ未来学」

当別町では、歴史・文化・自然・産業・科学など、多様な地域資源を活用し、子どもたちが「ふるさと当別を知り、とうべつの未来を考え、様々な方法で発信する力」を育む教科横断的な学習プログラム「とうべつ未来学」を展開しています。

なかでも農業分野では、田園風景の中での体験学習を通じて、町の基幹産業である農業を知り、自然との共生や食の大切さを、小学校の段階から学んでいます。その象徴的な取り組みが、「お米博士になろう」、「大豆博士になろう」と題した体験学習です。当別土地改良区、JA北いしかり、地域の農家の皆さんの協力のもと、児童たちは事前学習から植付け、生育観察、収穫、そして食するまで、年間を通して農業に触れ、水・土・人のつながりを体感することで、ふるさとの農業への愛着と楽しさ、そして自然と命のありがたさを学びます。

今年度も、春の田植えから始まり、夏の生育観察を経て、9月9日には、とうべつ学園の3年生による稲刈りの授業が行われました。児童たちは、土地改良区の菅沼さん、農家を営む宮本さん、土橋さんの指導のもと、黄金色に実った稲を自らの手で刈り取り、収穫の喜びと自然への感謝を深く感じ取る貴重な時間を過ごしました。

当別町は、映画「大地の侍」でも描かれているように、明治初期に仙台藩岩出山伊達家の伊達邦直公の主従が入植した町です。当時、邦直公が瀬戸勘三郎氏に稲作を命じたことが当別町の米作りの始まりとされており、現在も発祥の水田が大切に受け継がれています。「とうべつ未来学」は、まさにこの水田を学びの場として、地域の歴史や文化と深く結びつきながら展開されています。

「とうべつ未来学」は、子どもたちが土に触れ、命を育てる責任や自然への敬意を体感しながら、未来を自ら耕す力を育む教育です。ふるさとの田んぼが、子どもたちの未来を耕す入り口になるー そんな学びが、当別町にはあります。

水田発祥の地で学習が行われています
たわわに実った稲穂
宮本さんから生育状況を聞きます
土橋さんから刈り方を教わります
稲刈りのスタートです
上手に刈り取ります
刈り取った稲を脱穀します
コンバインについても学びます
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/dietary_education/elementary_school/3001/