厚真町 ~思いをつなぎ未来を拓く~ 小中一貫教育で学ぶ「ふるさと教育」
厚真町では、「ふるさとを愛し、未来に向かってたくましく生きる人材の育成」を目指し、令和元年度から小中一貫教育の取り組みが進められています。
その中核にあるのが、地域の多様な教育資源を積極的に活用した「ふるさと教育」です。
このふるさと教育では、「人・もの・こと・情報」をキーワードに、地域の自然、特産、歴史、福祉、職業など、暮らしに根ざしたテーマに触れながら、自ら課題を見つけ、様々な方々との対話を通して、地域への誇りと愛着、さらには自分の将来への展望を育み、最終年度の中学3年生の姿として「未来を語れる厚真の子」という目指す子ども像に向かって取り組んでいます。
農業分野での特徴的な取組としては、町営の温浴施設に宿泊しながら、地元農家の協力のもと、2日間の農業体験を行っています。この体験では、単なる作業ではなく、農業の魅力や課題に触れる深い学びの場を目指しており、農家とともに考案した農産物メニューを事業者に委託製造し、模擬的な販売活動等を行うことにより、生産から加工までの一連の体験を通じた地域に根差した学びにも力を入れています。
また、学校の応援団として、地域と学校が一体となって子どもたちの学びの環境について検討する学校運営協議会や、様々なノウハウをもつ地域人材が学校の授業の補助に入る地域学校協働本部事業等、地域と学校が連携・協働する仕組みづくりにも精力的に取り組んでいます。
そのため、ふるさと教育には、年間延べ500名以上の地域の方々の協力をいただいています。これは、教育委員会にふるさと教育推進コーディネーターを配置し、地域と学校を結ぶ重要な役割を果たしているのも大きな要因です。
農業をはじめとする「ふるさと教育」を通して、生命の尊さや知らなかった地域の良さや人とのつながりの大切さ等に出会い、気づきます。その体験の一つ一つが自分自身と向き合い、社会や人とつながる力、そして、ふるさとを思い、未来を拓いていく力へとつながっていきます。
厚真町が取り組むふるさと教育は、「地域とともにある学び」を通して、子どもたちの未来を切り拓いていく力を育んでいます。
【植樹体験授業】(写真提供:厚真町教育委員会)
