2026年2月24日号
通算25-22号
十勝のお米試食会
畑で育てた『十勝のお米』試食会
2026年1月17日(土)芽室町の素敵な佇まいのお店を訪問した。そこで「畑で育てた『十勝のお米』試食会」が開催された。帯広市の十勝とやま農場の外山さんなど農家4軒が協力して2025年にお米づくりに挑戦したのだ。そして、その収穫されたお米を試食する会だ。

会場のフレンチトースト専門店のCreativeFrenchToast in Tokachi
JR芽室駅前にあり、とてもお洒落で温かさを感じるお店
外山さんは帯広市美栄というエリアでジャガイモやカボチャ、小豆などの豆類を栽培している農家だ。当然、農地は畑だけで「水田」はない。その畑でお米の栽培に挑戦したという。
きっかけは、このWEB版HALだよりでも紹介している網走市の福田さんの「畑でお米チャレンジ」が大きかったという。
外山さんが栽培したお米は「きたくりん」。さて、そのお味は?


炊飯器2台でお米を炊く。蒸気があがるのを参加者が見守る
試食会ではお米(ごはん)をそのままで試食し、そのあとに十勝の名物である「豚丼」にして食べるのだ。
会場には、満員となる18名の参加者。農業に従事している方、農業関係のお仕事の方、さらには飲食業の方や一般の方もいた。皆さん、外山さんのSNSでこの試食会を知り参加したという。
お米はワクワクする
ご飯が炊きあがるまでの時間を利用し、外山さんから栽培したお米の品種、栽培の過程で苦労したポイントなどの説明があった。また、今後の十勝エリアでのお米を作る意味やお米を作ることで「今までに味わったことのないワクワク感、感動があり、それが他の小麦や豆とは違った感覚だった」との生産者の気持ちも紹介された。さらに、畑でお米づくりを安定的に行っていくには3年から5年はかかるだろうという見通しが語られた。お米づくりに挑戦するには、さらなる生産技術を高める必要性があるとともに、国内の供給を見ると高齢化や気象の変化もあるので、いつか十勝のお米の出番になることも考えられる。また、お米づくりは生産から収穫のあとの工程(乾燥、調整)があり、それを単独の農家で実施するには大きな設備投資が必要なため、簡単なことではないという指摘もあった。

美味しいお米
帯広市の藤田さんは、道内何カ所かの陸稲を食べたことがあり、ザラザラした食感があったが、今回のお米は注意して食べれば若干のザラザラはあるが、ほとんど感じられない。また、豚丼にすると、まったく気にならないとの感想だった。
本別町の若林さんは、地元で小麦を栽培しているが2026年から畑でお米栽培にチャレンジしたいという。それで実際のお米を食べるために参加したのだ。実際に食べてみると、その味は普段食べているお米と変わらないことに驚いていた。
私自身も、道内各地の陸稲・乾田直播栽培、畑で栽培のお米を食べているが、遜色なく「美味しいレベル」のお米に仕上がっていた。
ただし、外山さんが話していたとおり、安定的に栽培するには最低でも数年の経験が必要であり、また事業として収益を確保するには規制や商慣習といった乗り越える必要のある課題があるだろう。今回も生産者の参加があったが、このようなチャレンジには失敗や成功を含めた情報交換が重要だ。

お米だけを試食

続いて豚丼で試食
今後の展開が楽しみ
現在、北海道内はもとより、国内のかなりの地域で水を極力使わないお米の栽培が増えている。十勝地方のように畑での栽培もその一つだ。今回の試食会に参加していた農家の方は2026年に実際に栽培をするという。
多くの地域で多くの方が挑戦しているが、栽培に成功するだけではなく、事業として成功にまで到達するには、大きな課題がある。栽培技術に加え、制度や消費者の動向、それらを見極め、どのような方向を決めるのか。十勝の農業がまた一つ変わる時代が来ている。
(取材・記事:企画室 上野貴之)






