2026年3月2日
~映画「大地の侍」~
第177回上映セミナー 福島町「青函トンネル記念館」にて開催
2026年3月2日、福島町の青函トンネル記念館にて、第177回目となる上映セミナーを開催しました。
本セミナーは、福島町史研究会および福島町教育委員会の企画により実施され、地域の歴史に関心の高い皆様にご参加いただきました。道南地域での開催は、昨年11月の知内町に続き2例目となります。本州との交流の窓口として古くから栄えてきた福島町で、映画を通して先人たちの不屈の歩みを振り返る、意義深いひとときとなりました。
福島町の歴史は古く、1189年(文治5年)に源頼朝の奥州征伐に敗れた奥州藤原氏の人々が津軽から海を渡り、現在の吉岡地区に定住したのが始まりと伝えられています。この吉岡は、江戸時代後期に日本全国を測量した伊能忠敬が、蝦夷地測量の第一歩を記した地としても知られています。忠敬は1800年(寛政12年)、蝦夷地測量に着手しましたが、その最初の基点を吉岡に置いたことを明らかにしたのは、福島町史研究会の調査です。ここから始まった測量の成果は、後に「大日本沿海輿地全図」へと結実し、日本で初めて正確に描かれた日本地図の誕生へとつながりました。
また、福島町には、もう一つ忘れてはならない歴史があります。町の象徴的な山である「大千軒岳」は、江戸時代のキリシタン禁制の時代に、信仰を守り続けた人々が厳しい自然環境の中で暮らしていたことが伝えられています。困難な時代にあっても、自らの信じる生き方を貫こうとした人々の姿は、「大地の侍」が示す精神とも深く響き合うものです。
今回の会場となった「青函トンネル記念館」は、世紀の大事業といわれた青函トンネル建設の拠点跡地に建てられています。世界最長の海底トンネルという「現代の開拓」に挑んだ人々の情熱が息づくこの場所は、映画が映し出す困難に立ち向かう姿と重なり、参加者の皆様にも大きな共感を呼び起こしました。
上映後、参加者の皆様からは力強い感想が寄せられました。
・「そんなに昔ではない150年前の先祖が苦労して開拓した姿を映像で観ることができ、勉強になった。とても感動し、涙があふれた」
・「かつての石狩平野は泥炭地で開拓には厳しい場所だが、今では水田も畑作も北海道を代表する穀倉地帯になっている。機械のない時代に手作業で開拓してきた大変さが伝わってきた」
・「山仕事をしていた頃の記憶がよみがえった。簡単な仕事ではなく、当時の厳しさや先人たちの苦労が浮かんだ」
・「戦後、戦地から帰ってきた人たちが北海道にも入ってきたが、この映画の開拓と同じように大変な苦労があったことを思い出した」
・「北海道に生きる私たちは、先人たちのこうした艱難辛苦のおかげで今の暮らしがあるということを改めて実感し、とても感動した」
セミナーの終了後には、財団より福島町教育委員会へ映画「大地の侍」のDVDを贈呈いたしました。町立図書館での活用を通じ、より多くの町民の皆様や次代を担う方々にご鑑賞いただき、先人のたゆまぬ努力が今の暮らしの礎となっていることを感じていただけることを願っております。
「地域の歴史を振り返り、先人の歩みを再認識したい」「次世代に郷土の思いをつなげたい」といった上映のご要望がございましたら、ぜひHAL財団までお気軽にお問い合わせください。






