HAL財団

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WEB版HALだより「テキスト版」

2023年7月4日号(通算23-12号)

〜短期集中レポート〜 “農業で学ぶ” 小学校における「農業科」教育の道を拓く挑戦 (8)

磯田 憲 一

 編集委員会の皆さんの尽力と、関係者の願いが実り、2023年4月下旬、「美唄市小学校農業科読本」がついに完成しました。

 その「読本」の最初のページに、第一章として美唄市小学校農業科読本編集委員会特別アドバイザーの立場で中村桂子さんが執筆した「あなたが生きものであることを学ぶ農業」と題するメッセージが掲載されました。優しさに充ちた言葉で、生きものの一つとしての私たち人間の在りようを綴り、「生きものはみんな仲間ということがわかってくると、たくさんの仲間と一緒に生きていくことが楽しくなってくるに違いない」と語りかけています。

 そして、「農業科」で“農業で学ぶ”ことの意義を、中村桂子さんはメッセージの中で次のように語っています。「農業科は、自分で食べものを作って自立して生きていく力をつけると同時に、人間同士はもちろん、全ての生きものがつながった仲間であり、みんなで支え合いながら生きていくことが大事だということを学べる楽しい時間です…」

 中村桂子さんが語られているように“農業で学ぶ”のは、生きものとしての仲間を大切にする心であり、さまざまな生きものに支えられて生きている“つながり”の心だとすれば、「農業科」という取り組みは、仲間としての生きものに感謝する心を「農業」を通して身に染み込ませていく場とも言っていいと思います。

 そうした意味からも、美唄市、美唄市教育委員会が、「時間割」の中に「農業科」を組み込み“農業で学ぶ”場をスタートさせることは「農」の大地・北海道を未来から振り返ってみた時、その意味するものは深く、画期的なものであったと実感することになるに違いありません。

 そうした思いを共有し「北海道農業に新しい春(HAL)の息吹を…」の願いを込め、2022年4月に思い新たに再スタートしたHAL財団は、美唄が進める「農業科」の伸展を支えるとともに、その輪を各地域につないでいく役割を果たしていきたいと考えています。

 そのための推進チームとして、HAL財団内に「“農業で学ぶ教育”の輪をつなぐサポートチーム」を設置することにしました。

 このサポートチーム設置には、中村桂子さんも賛成、共感してくださり、チームの一員(特別顧問)として参加していただくことになりました。嬉しく、ありがたいことです。

 サポートチームは、当面次のようなメンバーで構成し、取り組みを進めていくことにします。

「“農業で学ぶ教育”の輪をつなぐサポートチーム」
特別顧問 中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)
代表   磯田憲一(一般財団法人HAL財団理事長)
田尻忠三(一般財団法人HAL財団常務理事)
村上孝徳(美唄市教育委員会教育部長)
羽深久夫(美唄市教育委員会特別アドバイザー)
(メンバーは、状況に応じ、随時必要な方に参加いただきます)

(注:肩書は当時のもの)

 (第9号に続く)

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