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小学校農業科の取組状況

小学校農業科

美唄市 中村桂子さんが特別授業を実施
~あなたが生きものであることを学ぶ農業~

5月9日、JT生命誌研究館名誉館長の中村桂子さんが美唄市の小学校を訪れ、今月から農業科で稲作を学ぶ5年生に向けて「あなたが生きものであることを学ぶ農業」と題した特別授業を行いました。

中村さんは、美唄市が「農業科」を導入した当初から、特別アドバイザーとしてその取り組みを見守ってきましたが、昨年、児童から招待された収穫祭に参加ができず、その時に交わした「必ずまた行きます」という約束を果たすために、今回、美唄市を訪問しました。

授業では、「すべての生きものはたった一つの祖先細胞からできていて、40億年の時を刻んできた」と語り、生きものは、全て対等でフラットであり、互いに支え合う関係であることを強調しました。

また、生きものの中で人間だけができることとして、一緒に食べる『共食』があり、これこそが人間の原点であり、信頼に基づく営みであることを説明。さらに「自分たちで育てたものを一緒に食べることができれば、もっと素晴らしい。このような視点から考えれば、戦争は、本当におかしいことと思えてくる。農業科は、こうした大切なことを考える学びになる」と児童たちに優しく語りかけました。

授業後には、昨年度、農業科で学んだ6年生がミュージカル形式でその学びを発表。農業科で得た知識や体験を創造的に表現し、中村さんは、「みんなが農業科で学んだ大切なことが、しっかりと身についているのが伝わってきた。これからも頑張ってね」と温かい励ましの言葉を贈りました。

特別授業は、児童たちが「農業で学ぶ」ことの意味を考える機会となりました。美唄市の「農業科」教育は、生命や仲間を大事にする心を育むものとして、期待されます。


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