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小学校農業科の取組状況

小学校農業科

札幌市立福住小学校 ~失敗から学ぶ~ 作物栽培で「生きる力」を育む試み

札幌市立福住小学校では、昨年度から5年生の児童が、学校に畑を作り、作物を育てる学習活動「私も地球号クルー」を実践しています。この取り組みは、「子どもたちが主体的に作物を育て、収穫し、食べる活動を通じて、自分たちがさまざまな命に支えられて生きていることに気付き、地球に生きる一員としてのあり方を仲間とともに考え、伝えることができるようになる」ことを目的としています。

この学習の焦点は、作物を上手に育てることではなく、生きものを育てる過程において、うまくいかないことや失敗からも学ぶ姿勢を育むことにあります。なぜうまくいかなかったのか、どうすれば改善できるのかを子どもたち自身が考えることで、より深い学びへとつながります。
5月12日には畑起こしを行い、6月6日には子どもたちが選んだジャガイモとサツマイモの植え付け授業が実施されました。近隣で農業を営む小西さんと山田さんの指導のもと、子どもたちは熱心に取り組みました。

畑起こしでは、まず雑草を取り除き、その後、スコップを手に交代で土を耕しました。植え付けでは、ジャガイモ班とサツマイモ班に分かれ、それぞれの作業に集中しました。土を掘り起こすのは想像以上に力のいる作業でしたが、子どもたちは笑顔で楽しんでいました。作業中、土の中からミミズが現れ、子どもたちは驚きの声を上げましたが、ミミズが土を豊かにすることを教えられると、興味津々に観察し、優しく土へ戻していました。

これから一年間、水やりなどの管理から収穫までの活動を子どもたちが主体的に取り組んでいきます。食べるための作物を育てるだけでなく、自然や他の生きものとの共生を体感することで、「生きる力」を育む貴重な学びの機会となるでしょう。また、作物の生育が順調に進まないこともあるかもしれませんが、そうした経験からも多くのことを学ぶことが期待されます。

札幌市立福住小学校

5月12日(月)畑起こし授業

地域学校協働活動推進員の三坂さんのお話を聞きます
まずは雑草抜きと石拾いです
小西さんからスコップの使い方を学びます
みんなで畑起こしのスタートです


畑起こしは力のいる作業です。みんなで一生懸命起こします

畑の完成です。これから育てる作物をみんなで考えます

6月6日(金)ジャガイモとサツマイモの植付け授業

推進員の三坂さんのお話を聞きます
小西さんの指導のもと、ジャガイモを植える溝を掘ります
山田さんの指導のもと、サツマイモを植える畝を作り、マルチを張ります
ジャガイモ(種いも)を植え付けます
マルチに開けた穴にサツマイモの苗を植えます
交代しながらみんなで作業を行います
植えた苗に水をやります
植え付け完了。空いた場所は今後、コーンを植えます
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/dietary_education/elementary_school/2753/