小学校農業科
美唄市 ~あなたが生きものであることを学ぶ農業~ 今年の第一歩
美唄市の小学校では、5年生の子どもたちによる今年の「農業科」(総合的な学習時間)の授業が始まりました。
この「農業科」は、JT生命誌研究館の名誉館長である中村桂子さんが提唱するもので、一時的な農作業体験にとどまらず、年間を通じて農業と向き合うことで、「人間は生きものの一つであり、他の生きものの命によって支えられている」ということを体感し、謙虚な心を育むことを目的としています。早くから農業教育に着目し、農業体験学習に取り組んできた美唄市教育委員会が、中村さんの理念に共鳴し実践しているものです。
5月21日・23日に行われた授業は「田植え」。齋藤農場の齋藤実さんの指導のもと、子どもたちは苗を手に取り、一つ一つ丁寧に植えていきました。泥に足を取られながらも笑顔で取り組む姿が印象的でした。 参加した子どもたちは、「泥の中に入るのは大変だったけれど、苗を植えるのが楽しかった」と話し、「自分で植えたお米を食べるのが楽しみ」と期待を膨らませていました。
今回の田植えには、齋藤さんをはじめ、美唄尚栄高校の生徒や農協青年部・婦人部の皆さん、さらに独立リーグで活躍する美唄ブラックダイヤモンズの選手など、地域のたくさんの方々が集まり、子どもたちとともに泥まみれになりながら、田植えを楽しんでいました。学校を中心とする地域コミュニティがしっかりと根付いていることを実感するとともに、こうした人と人のつながりの中で育つ子どもたちは、きっとふるさとや人を大切にする心が育まれると感じました。
また、田植えをした齋藤さんの水田の水路には、タニシやアメンボ、ドジョウの稚魚などの生きものが数多くいて、「農業で学ぶ」ことの裾野の広さを改めて認識しました。
子どもたちは、自分が育てる苗に木札を立て、今後は稲の成長を観察しながら、草取りや水管理を行っていきます。そして収穫の時期には、自ら育てた稲からお米を収穫し、それまでの過程を振り返りながら、地元の農業への愛着とともに「生きもの」としての学びを深めていきます。
この一年間は、子どもたちにとって「生きる力」を育む貴重な時間となることでしょう。
○2025年5月21日(水)美唄市立東小学校


齋藤さんからのお話と田植えの方法を学びます。


田んぼに入って田植えのスタートです。


地域の方が見守る中、苗を丁寧に植えていきます。


植えた苗のところに自分の名前を記した木札を立ててこれから稲を育てていきます。
○2025年5月23日(金)美唄市立中央小学校




田んぼに入って田植えのスタートです。


地域の方が見守る中、苗を丁寧に植えていきます。

