小学校農業科
美唄市 ~「いのちをいただく」ことを学ぶ農業~ 秋の実りの時間
美唄市の小学校では、「農業科」(総合的な学習時間)の授業として、9月3日(中央小学校)と4日(東小学校)に、5年生の児童による稲刈りが行われました。
5月に田植えを行ってから約4か月。児童たちは自分たちが植えた苗の成長を見守りながら、観察や草取り作業などを通して稲と向き合ってきました。今回の稲刈りは、そうした日々の積み重ねの集大成とも言える授業です。
当日は、齋藤農場の齋藤さん、教育委員会の新田さんの指導のもと、児童たちは鎌を手に稲を一株ずつ丁寧に刈り取りました。前日(9/2)までの雨でぬかるんだ水田に足を取られ、泥まみれになりながらも、稲の重みや香りを感じながら作業する姿は、春の田植えの頃とはまた違った力強さがありました。
児童たちは、「自分で植えた稲がこんなに大きく育ってうれしかった」「昔の農家の大変さがわかった」「最初は刈るのが難しかったけれど、周りの人に『上手だね』とほめてもらえて楽しかった」と笑顔で話してくれました。
今回の稲刈りにも、農協青年部や女性部、美唄尚栄高校の生徒、地域おこし協力隊、シニアの皆さんなど、多くの地域の方々が参加し、児童たちとともに汗を流しました。田んぼの中で交わされる会話や笑顔には、世代を超えた学びと交流があり、地域全体で子どもたちの成長を支えていることが感じられました。
青空の下、水田には赤とんぼが飛び交い、足元にはミミズやカエル、タニシなどの生きものが姿を見せ、農業が自然との共生の中にあることを改めて実感する機会にもなりました。
収穫後は、学校で児童たち自らが「はさがけ」を行いました。今後は、脱穀・精米を経て、給食でみんなで味わう予定です。自ら育て、収穫した米を食べることで、ふるさとの農業への愛着とともに「いのちを育て、いのちをいただく」ことの意味を深く学ぶ時間となるでしょう。
こうして児童たちは、自然の恵みや人とのつながりに感謝する心を育み、「生きる力」をさらに深めていきます。農業科の一年間の学びは、単なる体験を超えた、命と向き合う教育の実践として、確かな実りを結び始めています。

○2025.9/3(水)美唄市立中央小学校








○2025.9/4(木)美唄市立東小学校







