HAL財団

「家業」から「地域企業」へ

WEB版HALだより「テキスト版」

2025年6月24日号(通算25-06号)

農の先にある仕事

農業の関連事業と訊かれると、食品(加工食品)であったり、いわゆる六次化のファームレストラン、加工品、ファームインなど農産物を利用したものをイメージするだろう。今回、取り上げるのは「羊毛」だ。羊毛も農業関連産業なのだと気づかされる作業を見学した。
大型連休と言っても肌寒い4月27日に当別町のファームエイジ敷地内で行われたのが、羊毛を作る第一歩の作業だ。

「松尾めん羊牧場の羊の毛を刈り、綺麗にする作業があるので見学に来ませんか?」と、テキスタイル作家の下村好子さんからお誘いがあったのは4月中旬のこと。普段、農業の六次化や加工品、経営のことを調査、取材しているが、「羊毛」も農業の関連産業であることに改めて気づき、これは行くしかないとカメラを持って訪問した。

松尾めん羊牧場(農業生産法人 株式会社松尾めん羊牧場)は、松尾という名前を聞くと北海道の人にはあまりに身近な松尾ジンギスカン(株式会社マツオ)の関連会社で滝川市に7.5haを超える放牧地を持ち、200頭余りのサフォーク種を育てている牧場だ。北海道に住む人にとってはソウルフードの一つであるジンギスカン。事実、(株)マツオは、2016年に「ジンギスカン料理が道民のソウルフードになることに貢献」として、北海道新聞文化賞を受賞しているのである。(第70回(2016年)北海道新聞文化賞【経済部門】)。
今回は、その羊の毛をスカーディングする作業だ。そもそも、羊の毛がどのように毛糸になっていくのかも知らない私は、声をかけてくれた下村さんにその手順を伺った。ざっとこんな流れになるそうだ。

①羊の毛を刈る(時々、ニュース映像などで流れる、電動バリカンで刈る)
これは、当日の午前中に滝川市の松尾めん羊牧場で実施。
②羊毛に至るには、まずはスカーディングというゴミを取り除く作業。
③ゴミを取り除いた羊の毛を洗浄する
④干す
⑤紡ぐ
⑥撚りをかける → 撚りを止める

今回、時間の関係で私が参加したのは、この②の部分である。

10頭分の羊の毛は、このように空き袋を活用し、乗用車で運ばれてきた。




この汚れた部分を手作業で取り除く。これがスカーディング作業だ。


作業の準備を進める下村さん。


ひたすら手作業で汚れた部分を取り除く。


なぜか、羊の毛は「優しい会話」を呼ぶようだ。


一緒にこの作業を行ったのは、ボランティアの方々だ。
当日は、風が強く気温も10℃ほどと肌寒い。しかし、みんな笑顔になっている。
札幌から参加した山本さんは、手作りのモノが好きだということで、この作業に参加するのは2回目。また、店舗デザインなどを手掛ける浜尾さん、そして鈴井さんはご家族での参加。そして、記録写真を撮影していたカメラマンの中嶋さんまでも参加。みんなでワイワイ話をしながらの作業は寒さを忘れさせるものだった。

この後、多くの工程を経て、この羊の毛はどうなるのだろう?
下村さんによると、タペストリーになるらしい。そして、その秘密はここに参加している人が店舗デザインを手掛けている会社の人ということもあるようだ。

(取材・記事:企画室 上野)

取材協力
 下村好子さんURL:  https://webkoko.com
 株式会社ワークスワーク URL:https://worksworks.jp
 ファームエイジ株式会社 URL:https://farmage.co.jp
 株式会社マツオ URL:https://corp.matsuo1956.jp
 農業生産法人 株式会社松尾めん羊牧場 URL: https://www.matsuo-sheep-farm.jp

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2791/

2025年6月11日号(通算25-号外03号)

満員御礼 HAL農業賞受賞者の声を聞く
名寄地区勉強会開催

満員御礼!

名寄地区勉強会は、大好評につき定員に達しました。
また勉強会を企画します。
ご応募、ありがとうございました。

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。

【開催概要】

日時: 2025年6月25日(水)13時受付
13:30ころから16:30ころまで
場所: もち米の里ふうれん特産館 旧レストラン会場
注)駐車場は、道の駅、ふうれん特産館の駐車場を利用のこと。
内容: 今年春からの作付け・作業状況を各自から
HAL農業賞受賞企業からの「声」を
終了後に交流会を開催します。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年6月11日(水)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名
対象: 農業従事者
話題提供者: 第1回HAL農業賞地域特別賞  もち米の里ふうれん特産館 堀江英一さん
第6回HAL農業賞 チャレンジ賞 天心農場 北川 和也さん
HAL財団 企画室長  上野貴之
参加費: 無料
会場: もち米の里ふうれん特産館 旧レストラン会場 名寄市風連町西町334−2

★なお、セミナー終了後の交流会も予定しています。(自由参加です。)

主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2704/

2025年6月11日号 (通算25-号外04号)

満員御礼 今年も開催
街の緑化・デザインの考え方を学ぶ
ミニセミナーのご案内

満員御礼!

ミニセミナーは、大好評につき定員に達しました。
またミニセミナーを企画します。
ご応募、ありがとうございました。

街中の景観はどのような観点で作られているのか、それを学ぶミニセミナー第2弾!

また、HAL農業賞受賞企業の緑化の取り組みを紹介し、これからの企業活動での緑化の大切さも学びます。

【開催概要】

日時: 2025年8月1日(金)13時受付
13:30~15:30 講演
休憩
15:45~16:45 「HAL農業賞受賞企業」緑化の事例紹介
ファーム花茶 小栗美恵さん
公園PFIの取り組み
HAL農業賞アンバサダー 林 匡宏さん
参加費: 無料
会場: HAL財団セミナールーム
札幌市中央区大通西11丁目 第2大通藤井ビル4階

★なお、セミナー終了後の交流会も予定しています。(自由参加です。)

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年6月11日(水)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 8名
対象: 農業従事者(花卉含む) 造園、園芸の方など
講師: 株式会社和泉園 代表取締役社長 東京農業大学非常勤講師 白井 真一さん
話題提供者: ファーム花茶  オーナー 小栗 美恵さん
HAL農業賞アンバサダー(絵師、デザイン学博士) 林 匡宏さん
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2702/

2025年6月11日号(通算25-号外01号)

HAL農業賞受賞者の声を聞く
名寄地区勉強会開催

今までのHAL農業賞受賞者を招き、その経営のポイントを聞き、さらに今年の農業経営の状況、悩みを相談する勉強会を開催します。

【開催概要】

日時: 2025年6月25日(水)13時受付
13:30ころから16:30ころまで
場所: もち米の里ふうれん特産館 旧レストラン会場
注)駐車場は、道の駅、ふうれん特産館の駐車場を利用のこと。
内容: 今年春からの作付け・作業状況を各自から
HAL農業賞受賞企業からの「声」を
終了後に交流会を開催します。

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年6月11日(水)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 10名
対象: 農業従事者
話題提供者: 第1回HAL農業賞地域特別賞  もち米の里ふうれん特産館 堀江英一さん
第6回HAL農業賞 チャレンジ賞 天心農場 北川 和也さん
HAL財団 企画室長  上野貴之
参加費: 無料
会場: もち米の里ふうれん特産館 旧レストラン会場 名寄市風連町西町334−2

★なお、セミナー終了後の交流会も予定しています。(自由参加です。)

主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2698/

2025年6月11日号 (通算25-号外02号)

今年も開催
街の緑化・デザインの考え方を学ぶ
ミニセミナーのご案内

街中の景観はどのような観点で作られているのか、それを学ぶミニセミナー第2弾!

また、HAL農業賞受賞企業の緑化の取り組みを紹介し、これからの企業活動での緑化の大切さも学びます。

【開催概要】

日時: 2025年8月1日(金)13時受付
13:30~15:30 講演
休憩
15:45~16:45 「HAL農業賞受賞企業」緑化の事例紹介
ファーム花茶 小栗美恵さん
公園PFIの取り組み
HAL農業賞アンバサダー 林 匡宏さん
参加費: 無料
会場: HAL財団セミナールーム
札幌市中央区大通西11丁目 第2大通藤井ビル4階

★なお、セミナー終了後の交流会も予定しています。(自由参加です。)

【申し込み方法】

事前メールで受け付け(先着順)

受付期間: 2025年6月11日(水)~定員になるまで
申し込み先: HAL財団
受付メール: ueno@hal.or.jp
★お名前、所属(屋号、会社、団体)、ご住所、電話番号を記載の上、お申込みください。
定員: 8名
対象: 農業従事者(花卉含む) 造園、園芸の方など
講師: 株式会社和泉園 代表取締役社長 東京農業大学非常勤講師 白井 真一さん
話題提供者: ファーム花茶  オーナー 小栗 美恵さん
HAL農業賞アンバサダー(絵師、デザイン学博士) 林 匡宏さん
主催 一般財団法人 HAL財団
札幌市中央区大通西11丁目4-22 第2大通藤井ビル4階
電話:011-233-0131
担当:企画室 上野
この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2699/

2025年 6月10日号 (通算25-05号)

GW中の農作業

 長い人で11連休と、世間が大型連休を満喫している中、農家は繁忙期。どんな作業をしているのか、ほんの一端をのぞかせてもらった。

 今年の収穫の土台となる仕事は、農機具の整備、圃場の準備作業や周辺環境の整理などだ。農地まわりが整備されていなかったり、機械が動かなければ、その時点で作業が滞ってしまう。送られてきた情報や写真を見ると農作業をスムーズに行うための様々なウォームアップともいえる作業が行われているのが分かった。

地域の皆さん総出での水路掃除
潅水装置のノズル調整
オイル交換をしてから動作確認

農作業の根幹といえる圃場の整備。農機具の準備や周辺環境の整理と日程を上手に調整して作業に取り掛かる。この作業が今年の収穫に大きく影響を与えるのだ。ここを手抜かりなく行うことが肝心だという。

土を掘り起こしていく

水はけの悪い高台の田んぼで溝切を入れていたところ、後輪が大変な状態に。雨が多く寒い日が続いた今年の天候は、過酷な春を招いてしまったようだ。

広大な農地に石灰散布中

                 

 この時期、圃場の整備と並行して行われるのが種もみまきだ。さらには、育苗するものや播種するもの、そして苗を植え付けする準備も進められている。
 種は足りるか、床土や覆土の量は大丈夫かなど毎年のこととはいえ心配しながらの作業だ。

種もみまき
播種後の散水。ここまで来ると一安心
酒米の育苗。美味しくなれ、と願いながら育てる

 GW中に行う作業は、これから育つ農作物に対してだけではない。秋まき小麦の畑には除草作業や栄養剤の散布。そして、春掘りごぼうの収穫などもある。

秋まき小麦畑
ごぼうの収穫

 今年のGW前後は気温が上がらず、雨も多かった。そのため、農家にとっては厳しい天候となってしまった。しかし、5月下旬になり作業も本格化してきている。自然災害や天候不順など、予測のつかない中での作業は困難がつきまとうが、奮闘している農家の様子を今後も伝えていきたい。

Special Thanks
写真・情報提供をいただいた皆さんをちょっとだけご紹介します。

Iグループと呼ばれている同じ苗字の①~③

石狩管内 I①さん
留萌管内 I②さん
釧路管内 I③さん

ハンターでスキー・スノボの先生兼米農家

後志管内 Oさん

YouTuber もち米農家

空知管内 Kさん

いつでもタンクトップ ほうれん草農家

上川管内 Kさん

耕作面積は見渡す限り!巨大法人の幹部

空知管内 Jさん

髪色もカラフル!お米から野菜のファーマー

石狩管内 Tさん

後継者もそろそろ活躍

胆振管内 Mさん

先駆者中の先駆者

後志管内 Yさん

(取材・記事:総務部 山)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2605/

2025年5月27日号 (通算25-04号)

中村桂子 いのち()づる生命誌講座(その4)の開催報告

5月10日(土)、六花亭札幌本店「ふきのとうホール」にて、JT生命誌研究館の名誉館長であり、小学校“農業科”教育イニシアティブの共同代表でもある中村桂子さんの「いのち愛づる生命誌講座(その4)」を開催しました。

今回で第4回となる本講演は、「人類はどこで間違えたのか」をテーマに掲げ、中村さんの長年にわたる生命誌研究をもとに、現代社会における土木・教育・農業・医療を生命誌の視点から再考するというもの。

40億年にわたる生命の歴史を振り返りながら、人間という生きものの原点を検証し、「人間は生きものであり、自然の一部」という事実をもとに、上から目線ではなく、他の生きものと同じであることを認識しながら謙虚に生きることの大切さや、「あなたが生きものであること」を「農業で学ぶ」ことが、日本の社会を変えていく力となることを中村さんはやさしい言葉で語られました。

また、講演では「土」の重要性にも焦点が当てられました。「土」は生態系の基盤であり、人間の生き方にも深く関わるものとして、中村さんは熱く語られ、参加者の胸に深く響く内容となりました。

ほぼ満席となった会場では、多くの参加者が講演に強く共感。「これから人はどう生きるべきか、未来を考えるうえで重要な視点だった」「私たちは便利さを求める一方で、何を犠牲にしてきたのか、改めて考えさせられた」など、さまざまな感想が寄せられ、生きものとしての人の生き方を考える充実した時間となりました。

中村さんの講演は、単なる学問的な考察にとどまらず、現代を生きる私たちに、その在りようを強く問いかけるものでした。

講演会終了後、中村さんが提唱する“小学校教育に農業科を”という理念に共感する道内の市町村、農業団体等による『小学校“農業科”教育イニシアティブ』の情報交流会も行われました。

中村さんを囲みながら、農業教育の取組事例について情報交換が行われ、中村さんが語られた「生きる力を育む学びの原点は農業にある」という農業の持つ教育的価値を改めて認識する貴重な時間となりました。

 (記事:事業部)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2582/

2025年5月13日号 (通算25-03号)

野火、山火事、災害、事故には遭いたくない!
消防・救急の現場訪問!

 2025年3月、国内では岩手県、岡山県、さらに愛媛県と大規模な山林火災が多発した。農業現場では、今も野焼きを行うこともあり、山林に近い場所がほ場、仕事場というケースも多い。さらに、農機具の事故や風水害などの自然災害も起こり得る危険要素がある。
 一方で、農業従事者には地域の消防団に入るなど、地域の安全を守る自負心に溢れている人が多い。
今回は、札幌近郊で農地もあり、山林も広がり、さらには工業団地や野球場もあるという北広島市の消防本部を訪問し、どのように火災や災害、事故から身を守ると良いか、そして万が一災害や事故に遭った場合にはどうすれば良いのかを取材した。

 お話を伺ったのは、北広島市消防本部予防課消防司令補の宮澤祐介さん、同じく予防課消防士長の山口翼さん、警防課消防司令補の石黒(ゆう)()さん、警防課消防士長の後小太郎さんの4名。

<山林火災、野火の状況と対策>

▶予防課 山口さん
 北広島市でも野焼きが原因で火災になった事例もあります。特に春先や秋口は“空気が乾燥して注意が必要”です。全国的にも野焼きが原因となる火災(山林火災に限らない)が増えているので、注意喚起をしています。

▶HAL上野
 煙が見えたら119番した方がいいのですか?

▶警防課 後さん
 火災の可能性があれば、ためらわず119番して欲しい。消防では、調査として現地に赴き確認します。

左から 石黒さん 後さん 山口さん 宮澤さん

▶HAL上野
 農業現場で野焼きをする場合はどうすればいいのですか?

▶予防課 山口さん
 消防署に相談、届出をお願いしています。注意事項として、当日の天候状況の確認をして欲しい。特に風が強くないか、空気が乾燥していないか、そういう点を注意して欲しいです。

▶予防課 宮澤さん
 野焼きをやる場合には、「火をつけたらそこを離れない」「複数人でやる」「いつでも火を消せるような水などをしっかり用意する」ことが大事です。

<山菜採りの注意>

 春先の山菜や秋のキノコと、山に一般の方が入ることもあります。万が一、遭難してしまうと地元消防や警察、あるいは役場(市役所)や消防団が捜索に向かうことになります。北広島市の状況を伺いました。

▶HAL上野
 北広島市でも山菜採りの事故などあるのですか?

▶警防課 後さん
 北広島市でも毎年発生しています。2024年度は2件の遭難事故があり、出動しています。北広島市では、消防や警察、そして市役所の方も加わり捜索隊を編成します。

▶HAL上野
 実際の捜索はどのようにするのですか?

▶警防課 後さん
 捜索隊が横一列に並んで山の中を探していきます。

▶HAL上野
 それは、すごく大変なことですね。
 ほかに注意点があれば教えてください。

▶警防課 後さん
 携帯電話を忘れずに持つことが大事ですが、GPSを入れることが大事です。また、現在地を知らせる機能を持つアプリも最近はありますので、活用して欲しいです。

<自然災害、河川氾濫にはどう対処するか>

▶HAL上野
 ここ数年、ゲリラ豪雨や河川の氾濫も増えているように思います。この注意点を教えてください。

▶警防課 後さん
 河川や用水路を確認しに行きたくなる気持ちは分かります。しかし、命が最優先です。国土交通省などの河川情報などで情報収集をして欲しいです。
 万が一、災害に遭ったら119番に電話をしてください。

<119番通報のポイント>

▶警防課 後さん
 119番通報のポイントは、冷静に指令担当の質問に答えてください。指令員は、まず「どうしました」と聞きます。次は「住所」を伺います。その2つ(どうした、場所)で、救急車か消防車が出動します。
 また、2025年(令和7年)秋から、北広島市消防を始め、札幌市消防局、江別市消防本部、千歳市消防本部、恵庭市消防本部、石狩北部地区消防事務組合消防本部(石狩市・当別町・新篠津村)のエリアは「札幌圏消防指令センター」(所在:札幌市)が一括して119番通報に対応することになりましたので、確実に「市町村名」から言ってください。例えば「青葉町」などは札幌市にも北広島市にもあるので、注意が必要です。

<これらの模様は>

 伺った内容は、これだけではありません。警防課の石黒さんは道庁の防災ヘリ隊員としての経験もあり、実際の救急搬送や上空からの捜索、さらには放水の経験談なども伺いました。
 皆さん、カメラの前で少し緊張気味でしたが、時に少しだけ笑い話もしながらインタビューを行いました。このインタビューの様子は、後日HAL財団公式YouTubeチャンネルで公開いたします。

<訓練の様子や消防車、資機材を拝見>

 取材を終え外に出ると、今年の新入職員の訓練が行われていた。消防の放水は非常に大きな力が必要だ。ホースをしっかり固定するには足に力を入れて、と先輩職員から指導されていた。

 山林火災などで使用する資機材「背負い水嚢(すいのう)」に約20Lの水を入れ、さらに防火服や通常の機材で20㎏もあるというのだから、合計で40㎏にもなる。それで傾斜の地面を歩くのは大変な困難を伴う。

 救助工作車に積載している資機材。交通事故、傷病者の救助、水難事故、消防現場とありとあらゆる災害現場で使われる救助ツール。
資機材の紹介や仕事を説明してくれたのは、救助隊長の杉淵さん。

救助工作車の前で整列する新入職員の皆さん。

北広島市には、住宅街、商店街、野球場とともに大曲工業団地がある。2024年度(平成6年度)に導入された、消火剤で危険物火災、油脂火災、一般火災に対応する化学車。

 これから、農作業も本格稼働の季節だ。
 燃料を使う農機具や施設(乾燥施設や倉庫)、さらには毎年のように見舞われる自然災害など危険が多い。今回のレポートで改めて「日々の点検」や「危険に近寄らない」「安全を確保する」という当たり前のことが大事であると再認識した。 農業の現場でも安全に留意して仕事をすることが大事だ。
 また、それぞれがプライベートの時間では、火の始末、火の用心、さらに交通安全に心がけるなどして、できれば119番のお世話にはならないようにしたい。
 しかし、いざという時には、119番に助けを求めることをためらわずに、冷静に行えるようにすることが肝心だ。
このような防災、消防、救急に関して知りたいこと、疑問があれば地元の消防署に相談することが非常に勉強になる。 また、各地の消防署では消防団員を募集しているので、相談に赴いたら消防団についても訊いてみては如何だろう。

▶取材協力
 北広島市消防本部   :北広島市北進町1丁目3-1
 北広島消防署     :同上住所
 北広島消防署大曲出張所:北広島市大曲2番地8

▶ご協力いただいたみなさん
 北広島署消防本部
  警防課長 消防司令  矢村さん
  警防課  消防司令補 石黒さん
  警防課  消防士長  後さん
  予防課  消防司令補 宮澤さん
  予防課  消防士長  山口さん

 北広島消防署
    消防司令補 杉淵さん(レスキュー隊長)

 北広島消防署大曲出張所
    消防司令補 板林さん
    消防司令補 富島さん
    消防司令補 池田さん

 北広島消防署 新入職員の皆さん

(取材・記事:企画室 上野)

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2553/

2025年4月15日号 (通算25-02号)

~HALクロストークセッション Vol.4~ 動画を公開!

 2023年1月23日に、第1回が開催されたHALクロストークセッション。通常のセミナー形式ではなく、スピーカーから話題提供してもらい、それに対して参加者からの質問が出ることにより、話し合いが広がるという、セッション形式で行いました。
 好評だったため、2024年1月に第2回、8月に第3回、そして、2025年1月20日に第4回を開催しました。


 畑地での米づくりを実践する農家の報告から、多様で進化する資材・薬剤などの話、さらには、収穫農作物の利用や流通といったロジスティックの問題にまで踏み込む話が飛び交うHALクロストークセッション。
 今回は、NEWGREENの中條さん、ペントフォークの伊藤さんから参加者に質問するという特別企画も。伊藤さんが参加者のもとへ突撃質問に行き、笑いを交えながら、様々な意見交換を行いました。


 また、ヤマザキライスの山﨑さんとRICE CREATION(THAILAND)CO.,LTD.の則竹さんが、タイからzoomで参加!米づくりの視察とサポートでタイを訪れている山﨑さんが、その様子を伝えてくれました。


 その他、多くの話題を提供しているHALクロストークセッションの第4回の模様をすべて公開いたします。是非動画をご覧ください。なお、全編は約4時間という長編ですので、話題に応じてチャプター分けもしています。見やすい方をお選びください。

動画URLは
 全編: https://youtu.be/9JiJOajcosk
 チャプター1:https://youtu.be/KHONXqtM094
 チャプター2:https://youtu.be/GXOX_Uby9KY
 チャプター3:https://youtu.be/h5-6jGah1Gw
 チャプター4:https://youtu.be/kesiIGPm0WI
 チャプター5:https://youtu.be/9PD-b6-tYaI

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2541/

2025年4月1日号 (通算25-号外)

満員御礼 中村桂子講演会 いのち()づる生命誌講座(その4) 「人類はどこで間違えたのか」(拡大・成長・進歩を問い直す)

ご案内しておりました『中村桂子 いのち()づる生命誌講座(その4)「人類はどこで間違えたのか」(拡大・成長・進歩を問い直す)は、定員に達しました。

この記事のURLhttps://www.hal.or.jp/column/2534/